知財・商標サービス
商標出願のオンラインサービスを選ぶ前に:特許庁の料金表で「総額」を確かめる方法
結論
商標出願のオンラインサービスを比べるときは、各サービスの手数料だけでなく、特許庁に納める料金(出願料と登録料)を足した総額で比べてください。特許庁に納める料金はどのサービスを使っても同じで、特許庁の「産業財産権関係料金一覧」で誰でも確かめられます。違いが出るのはサービス手数料と、どこまでを手数料に含めるかです。
特許庁に納める料金(2026年9月24日時点、特許庁の料金一覧で確認)
特許庁の「産業財産権関係料金一覧」(最終更新 2026年4月6日)に記載されている、商標に関する主な料金は次のとおりです。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 商標登録出願 | 3,400円+(区分数×8,600円) |
| 商標登録料(10年分を一括で納付) | 区分数×32,900円 |
| 商標登録料の分納額(前期・後期の各回) | 区分数×17,200円 |
| 更新登録申請 | 区分数×43,600円 |
「区分」は、商標を使う商品やサービスの分類です。使う分野が増えるほど区分数が増え、料金も増えます。
1区分・2区分で計算すると
上の料金表から計算した、特許庁に納める料金の合計です(登録料は10年分を一括で納付した場合)。
| 区分数 | 出願料 | 登録料(10年) | 特許庁に納める合計 |
|---|---|---|---|
| 1区分 | 12,000円 | 32,900円 | 44,900円 |
| 2区分 | 20,600円 | 65,800円 | 86,400円 |
登録料を前期・後期の2回に分けて納める(分納)と、1回あたりの負担は区分数×17,200円になります。ただし2回の合計は区分数×34,400円で、一括納付より高くなります。数年で使わなくなる可能性がある商標なら、分納を選ぶ意味があります。
このほか、審査で拒絶理由が通知された場合の対応(意見書や補正)に費用がかかることがあります。これはサービスによって手数料に含まれるかどうかが分かれる部分です。
サービスを比べるときに確認する項目
オンラインサービスの料金表を見るときは、次の点を確認してください。
- 表示価格に特許庁の料金(出願料・登録料)が含まれているか、別なのか。
- 区分が増えたときの手数料の増え方。
- 拒絶理由通知への対応が手数料に含まれるか、別料金か。
- 登録料の納付(一括・分納)の手続きを代行してもらえるか。
- 出願前の調査(同じ・似た商標がすでにないか)の範囲。
- 手続きを担当するのが弁理士か。弁理士法第75条により、弁理士または弁理士法人でない者は、報酬を得て商標に関する特許庁への手続の代理を業として行うことができません(特許料の納付手続の代理など、政令で定めるものを除く)。サービスが「代理」なのか、利用者自身の出願を支援するソフトウェアなのかは、料金表の注記で確認できます。
2つのサービスの料金を同じ条件でそろえる
オンライン商標出願サービスのうち2つについて、公式の料金ページに掲載されている金額を、1区分・登録5年分・税込の同じ条件にそろえて並べました(2026年9月24日時点、各社の公式料金ページで確認)。ここに挙げていないサービスもあります。
| 項目 | Toreru | Cotobox |
|---|---|---|
| 出願時の手数料 | 19,800円(Toreru 出願) | 11,000円(出願手数料10,000円+消費税) |
| 登録時の手数料 | 無料 | 16,500円(登録手数料15,000円+消費税) |
| 特許庁の料金(出願+登録5年) | 29,200円 | 29,200円 |
| 総額 | 49,000円 | 56,700円 |
| 出願前の調査 | 無料(Toreru で出願する場合) | 公式ページでは「無料商標相談」を案内 |
| 拒絶理由通知への対応 | 軽微なもの(指定商品・役務の削除など)は無料。意見書は55,000円 | 意見書の作成は55,000円から、手続補正書の作成は11,000円から |
| 公式サイトに書かれた提供形態 | 弁理士のサポートがある「Toreru 出願」(運営は株式会社Toreru/弁理士法人Toreruと表記) | 利用者自ら出願書類を作成することを支援するソフトウェアを提供(経済産業省グレーゾーン解消制度の活用事業と表記) |
特許庁の料金29,200円は、出願料12,000円と5年分の登録料17,200円の合計で、どちらのサービスでも同じです。差が出ているのは手数料の部分で、しかも「いつ払うか」が違います。Toreru は出願時に手数料を払い、登録時の手数料はかかりません。Cotobox は出願時と登録時の2回に分けて払います。審査で登録にならなかった場合の負担も含めて比べたいときは、この支払いのタイミングまで見てください。
拒絶理由通知を受けて意見書を出す場合は、どちらも55,000円(Cotobox は「から」)が上乗せされます。総額の比較は、拒絶理由が来なかった場合の金額だという点に注意が必要です。
まとめ
- 特許庁に納める料金は、どのサービスでも同じ。特許庁の料金一覧で確かめられる。
- 1区分なら、特許庁に納める料金は出願と10年分の登録で44,900円、出願と5年分の登録で29,200円(2026年9月24日時点)。
- サービスの比較は、手数料に何が含まれるかをそろえてから、総額で行う。
具体的な出願の可否や区分の選び方は、弁理士にご相談ください。
一次出典
- 特許庁「産業財産権関係料金一覧」(2026-04-06)
https://www.jpo.go.jp/system/process/tesuryo/hyou.html - デジタル庁(e-Gov法令検索)「弁理士法(平成十二年法律第四十九号)」
https://laws.e-gov.go.jp/law/412AC0000000049 - 株式会社Toreru「料金|Toreru 商標登録」
https://toreru.jp/price/ - cotobox Inc.「料金シミュレーション|Cotobox」
https://cotobox.com/plan/
本記事は公表資料と運営者の確認できた範囲に基づく整理であり、法的・税務的な助言ではありません。料金・仕様は変わることがあるため、お申し込み前に必ず各社の公式情報をご確認ください。